マクロビオティック=制限食?

 

マクロビオティックを実践しています、というと
大体の場合「なにそれ?」と質問されます。
なので簡単に説明をしようとするのですが…これが難しい。
結局めんどくさいので、
「穀物を中心に、野菜とか豆とか海草をたくさん食べるんだよ」
…と食べ方のみの説明になってしまうのですが、
「肉・魚・卵・乳製品は基本的に摂らない」
「白砂糖も食べない」ということがバレて(笑)しまうと

なにそれ!

と、相当びっくりされることも…しばしば。
そして挙句の果てには、「カワイソウ」と言われてしまうのですよね。
ケーキやパフェ、チョコレートが食べられないなんて…と。

食べられないわけではなく、食べないようにしているだけだし
(だから、時と場合によっては食べることだってもちろんあるし)
食べなくても平気だし、それに「甘いもの」自体はむしゃむしゃ食べているしで
別に自分としてはカワイソウと言われることなど何もないつもりなのですが。

むしろ、白砂糖を食べなくなった今では、そういうものは「甘すぎる」ので
心からおいしいとは思えないし、食べてもバランスを崩してしまって
頭が痛くなったり、お腹を壊したり、肌の調子が悪くなったり、
それから精神的にメランコリックになったり、逆にイライラしたり…
そんな感じなので、市販のスイーツは特に必要ないんですよね。

…とか、今だからこそさらっと言ってしまいますけども
昔は筋金入りの砂糖中毒者だったので、カワイソウ!と思う気持もわかるのです。
もちろんマクロビオティックを始めたばかりの頃は、自分がカワイソウ過ぎて
すっかり悲劇のヒロインになってましたもん。病気で食べられないなんて!みたいな。

でもね、白砂糖にしても動物性にしても、出来れば食べなかったり、量を控えたりする方が
身体にも心にもすごくいいんだよーってことが、自分の体験から充分わかっているので
そのことををなんとか伝えたいのですが…どうもうまく伝わらず。
あんまり頑張っちゃうと、「コレで幸せになれますよ」みたいなアヤシイ人になっちゃうし。

そして、結局は「マクロビオティックって、なんだかすごく厳しい食事制限みたい」
…と思われてしまうのです。
大体が喋るのも苦手なので、フシギなことをやってる、物好きな人だと思われちゃう…ような。

でも、これって大いなる誤解なのです。

「肉・魚・卵などの動物製品や、白砂糖などを摂らない」
これは、マクロビオティックの食べ方の説明のひとつ。
では、そういうものを摂らなければマクロビオティックな食事といえるのか?
いえいえ、マクロビオティックって、どうやらそんな平面的なものでなさそうなのです。

マクロビオティックとは…食べ物の持つ影響力、というものを身体で理解して、
それを日常生活の中で活かしていくこと。
そういうものではないかなぁ、とわたしは思ってます。

なんだか、ひどく難しく聞こえてしまいますが。
でも例えば、「季節に合わせた食事」。
これは日本では昔から自然に行われてきたことですよね。
夏はさっぱりしたもの、夏野菜を食べる。
冬はじっくり煮込んだもの、根菜を食べる。
そういう旬の食卓は、実はその季節に応じた食べ方なのです。
夏はより涼しく、冬はより暖かく過ごせるような食べ方。
それが「食べ物の持つ影響力を、日常生活の中で活かしている」具体例です。

そう、本当はわたしたちは、そういう「食べもののチカラ」を知っていたのです。
日本人はずーっと昔から、誰に教わったわけでもないのに、環境と調和して食べていたのです。
その食べ方はもちろん、昔は「旬の食べもの」しか手に入らなかったという環境もありますが
もっと深いところでの観察力・直観力に基づいて「発見」されたものなのではないか…
とわたしは思っています。
きっと昔の人には、食べもののチカラだけでなく、自然から何かを感じ取る直観力のようなものが
今のわたしたちよりもずっとずっと鋭かったのではないかなぁと思うのです。

でも、今のわたしたちは随分と鈍ってしまっていますよね。
一年中どんな野菜も手に入るし、「旬」はグルメのカテゴリの一つになってしまっているし。
わたし自身、マクロビオティックを始めるまで野菜の旬なんて全然わからなかったし
意識したこともありませんでした。
食べものは単に「お腹を満たすもの」でしかなくて、お腹一杯になれば何でもいいや。と思って
おやつでお腹を一杯にしても平気だったし、好き嫌いもものすごく多かったのです。

で、坂を転げ落ちるようにまっしぐらに病気になっていくんですけど。それはまた別の話。

話を戻すと…そういう食べもののエネルギーを日常生活に生かすための食べ方、
それがマクロビオティックなのだとすると、それは「制限食」ではなくて。
むしろ、「より自分の身体のパワーを引き出してくれるようなごはん」なのだと思います。
だから、何を食べたってOK。
けっして他人の用意したマニュアル通りに食べるものではなくて、
自分の生活環境、なりたい姿にあわせて、自分で選ぶことができるものなのです。

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