マクロビオティックについて、はじめに


「マクロビオティック」 とはなんですか?
…もし、そう質問されたとき。
どうやって答えようかなぁとわたしは迷ってしまいます。

例えば、「どんな食べ方をするのか」ということであれば
わりと簡単に伝えられるのです。
全体の半分以上を全粒穀物に、それから野菜、豆と海草をどのくらい…
でも、そうやって「マクロビオティック標準食」を伝えただけでは
どうしても、マクロビオティックについて説明できたとは思えないのです。

わたしにとってのマクロビオティックは…
 例えばある時には「原因不明の病気を治すための食事」だったり、
 またある時には「自分を心身ともにすっきりさせるための暮らし方」だったり、
 そして「本来の自分の感覚や直感を取り戻すための食べ方」だったり…

とても一言では説明できないし、
自分の状況や求めるもので、その答えも変わってくる気がします。

けれど、敢えて今の感覚を言葉でまとめてみるならば、
 自分がどんな風に感じるのか、という身体の声をきちんと聴くこと。
 自分がどんな風になりたいのか、という自分の欲求を受け止めること。

そうやって、余計なものをすっきり取り去った、「本来の自分に立ち返る」こと。
それがわたしにとってのマクロビオティックかもしれません。

そして、そのために特別な方法を用いるのではなくて、
ごく日常的なものである「食生活」を通して実現していく。
それがマクロビオティックの面白さでもあると思います。

どうして食べるものを変えることで、本来の自分に繋がっていけるのか?
とても不思議ですよね。
実のところ、さまざまな変化を体感してきたわたしにも、未だに不思議だったり…

でも、食べものを変えるとまず身体が変わります。
"You are what you eat."
「あなたは、あなたが食べるものから作られている」からです。

そして、身体が変わると心も変わります。
身体と心は、実はとっても緊密に結びついているのです。
たぶんあなたが思っている以上に、もっとずっと深く。

けれどわたし自身、マクロビオティックを始めた最初の頃は
そんな風にはまったく思っていませんでした。
食べもので自分の心や状態が変わるなんて、半信半疑でした。
ただただ、原因不明・治療法のわからない「慢性疲労症候群」という病気を
少しでも改善したかったのです。
マクロビオティックとは「病気治療」のための特別な「食事制限」であって、
弱ったからだが元気になるような、スペシャルな治療法だと思っていたのです。

けれど…食生活を変えてみて驚いたのは、
身体だけではなく、ものごとの感じ方や心の状態にも変化があったこと。
それまでとは全く違った、「安定した自分」を、実感することが出来るようになったのです。

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