マクロビオティックについて、はじめに


もちろん、食生活を変えたことで、身体的な「病気の症状」も
目に見えて快方へ向かったのですが…
むしろそれは、変化の内のごく一部、本当に小さな部分に過ぎなかったような気がします。

例えば、異常なまでの気持ちの落ち込みが少しずつ和らいできて、
より穏やかな落ち着いた気持ちで日々を過ごせるようになってきたり。
両親が泣いて困るほど(!)部屋の片づけがまったく出来なかったのに、
自分から、それもなんのストレスもなく部屋の掃除ができるようになったり。

面倒くさがり、がさつ、整理整頓が出来ない、忘れ物がひどい、
安定していなくていつも不安、根気がない、優柔不断、怖がり…
そういう面は、自分の「性格」だと思っていました。
性格だから、生まれつきだから、直せないし仕方がない…と。
けれどマクロビオティックを始めてわかってきたのは
それは単なる「体質」に過ぎなかったんだ、ということでした。
なぜなら…そういった自分のコンプレックスだった性質が
日々、少しずつ改善されていくのが実感できたと同時に、
どれだけ食べものの影響が大きかったのかを理解したからなのです。

例えば、白砂糖を多く含む甘いもの。これは「極陰性」の働きを持つ、と言われます。
食べ過ぎて、「陰性」に傾きすぎたときに起きる症状は
例えば身体的には鼻水が出たり、前頭部が痛くなったり、頭がぼうっとしたり…
また憂鬱になる、消極的になる、過敏になる、などの精神状態を招くと言われています。

これが、甘いものが主食になっていた以前の自分にもぴったり当てはまったのです。
また、マクロビオティックを始めてから白砂糖を日常的に取らなくなってからも
久しぶりに甘いものを食べ過ぎると、そういう症状が現れるのでした。
「どうして今日はこんなに気分が落ち込むんだろう?」と考えると、
ちょうど甘いものを食べ過ぎた次の日だったり…
そういうことが、何度も何度もありました。

そんなとき、砂糖を摂りすぎたときのお手当てとして「梅醤番茶」を飲んでみると、
ずきずきしていた頭痛も、重かった身体もすっと楽になって、気持ちも明るくなったりするのです。

その他にも、小麦粉で出来たもの(パン、クッキーなど)を食べ過ぎると
肌が乾燥してカサカサになったり、鼻水が出るようになったり。
添加物がたっぷりの外食をした後は、おでこににきびが出来たり。

そうして、食べものと、自分の身体・心が、とても深く密接に繋がっていることを
毎日の生活の中で強く実感することができたのです。

なにを食べるか…ということは、身体とも深く関わりを持っている。
そして身体の変化は、心とも深く繋がっている。
そのことを、今のわたしは自分自身の体験から確信しています。
だから、どんな人の、どんな悩みであっても
「食べるものを変えてみる」ことは、役に立つことなのではないかと思っています。

ここでは、「具体的にマクロビオティックがどういうものなのか」よりも
わたし自身がマクロビオティックに出会ってどう変わったのか…という面を
中心にお伝えできればいいな、と思っています。
そういうわたし自身の体験した変化を知っていただくことで、
「食べものが人にどういう影響を与えるか」
ということを感じていただけたら嬉しいなぁ、と思うのです。

なので、マクロビオティックの「理論」などをきちんと知りたい!という方の
求めているものとは、違うものかもしれません。
それにふさわしい本やサイトはたくさん存在していますので
そちらを参照していただければ、と思います。

慢性疲労症候群という病気になり、マクロビオティックに出会ってから
わたし自身がどのように変化したのか。
もしわたしの経験の中で、あなたにとって必要だと思うものがあれば
参考にしていただけると、とても嬉しく思います。