![]() ![]() ![]() ![]() ○ 慢性疲労症候群、という病名に出会う ![]() ![]() ![]() 「手足に力が入らない」「目まい、ふらつき」という症状から「小脳に異常があるのでは…」と母親が心配したので、KY大学病院の神経内科を受診しました。 ぼんやりと覚えているのは、CTスキャンをしたことと、真っ直ぐな線の上を歩いたり、筋力のチェックをしたり…という簡単な検査をしたこと。 詳しい結果はCT写真が返ってきてから、とのことでしたが、お医者さんからは、 「小脳失調症の心配はなさそうだけれど、手足の筋力がかなり弱く、ぎりぎり正常値くらいしかない」と言われました。 頭痛などは筋緊張性頭痛では?と言われ、筋肉の緊張を緩めるために、デパスとバファリン(アスピリン)を処方されました。 筋力がぎりぎりしかない、と聞いたときには 「やっぱりなぁ、あれだけ自転車に乗るのが辛かったしなぁ」 と、自分の根性不足が原因ではなかったことが認められた気がして、ほっとしたのを覚えています。 CTの結果を待ちながら、また自宅で寝て暮らす日々。 ある日母親がパソコンを見ながら、 「あんたってこれなんじゃないの?」とわたしを呼びました。 そこにあったのが、「慢性疲労症候群」という文字でした。 異常な倦怠感、疲労。 頭痛、発熱、リンパの腫れ。 手足に力が入らない。 口内炎がしょっちゅうできる。 光が異常にまぶしい。 … 当時の自分と寸分も違わない症状のオンパレードでした。 「これだ」 と、すぐに確信しました。あまりにもぴったりと自分の症状を説明していて、驚いたくらいです。 とりあえず、そのホームページに載っていた漢方薬を試してみることにしました。というか、母親が手に入れてくれました。(わたしは相変わらず、何を試そうという気力もない状態だったのです) 「補中益気湯」と「十全大補湯」です。 漢方は、飲んですぐに効果を発揮しました。 (詳しくは、コチラに書いています) 特に補中益気湯はわたしの身体に合っていたようです。 この頃から大学に入るまで、毎日欠かさず飲み続けていました。 ○ 心療内科へ。うつ症状の自覚 ![]() ![]() ![]() 慢性疲労症候群を診てくれるお医者さんについて調べてみたら(しつこいですが、調べてくれたのは母親です)、先日受診した神経内科と同じ大学病院に、専門で診てくれるお医者さんがいることがわかりました。 ちょうどCTスキャンの結果が出たので、再び大学病院へ。 CTの結果は、脳には異常が見られないとのこと。 「慢性疲労症候群ではないかと思うのですが…」と告げたところ、専門医のいる心療内科へ回してもらえました。 同じ日に、心療内科へ。 覚えているのは、まず最初に問診表と同時に抑うつ度のテストを受けたこと。 (SDSテスト、と呼ばれる簡単なものでした) 「憂鬱である」、「将来に希望がない」、「自分に失望している」… そこに並べられている項目と、自分の心境があまりにぴったり同じなので、また驚きました。 「こういう気持ちって、テストになるくらいに一般的な(?)感情なんだ…」と。 慢性疲労症候群の疑い、ということで受診したのですが、 そこで診ていただいたお医者さんには 「うつ病の恐れがあります」と言われました。 実際に、SDSテスト得点は56点くらいだったと記憶しています。 (50点以上は中程度以上の抑うつ性あり) ※================================================================= ここで留意していただきたいのは、 慢性疲労症候群=うつ病ではない、ということです。 CFSにはうつ症状を伴う場合もありますが、ほんとうに身体疾患のみの患者さんも 大勢います。 そういう患者さんにとって、「CFS=仮面うつなどのうつ病」というコンセンサスが 成り立ってしまうと、治療そのものやCFSの認知にも困難が伴います。 また、うつ症状を伴うCFS患者さんも「仮面うつ」と捉えられ、「心の問題」だけで 済まされてしまい、身体の症状を無視されてしまうという問題も生じています。 CFSとうつ病の違いについては、医学的にもきちんと証明されているようです。 =================================================================== そう言われたときのことは、今でもぼんやり覚えています。 うつ病です、と言われて、わたしはそのまま 「うつ病ってなんですか?」と訊きました。 「頑張ろう、頑張ろうと思って、エンジンを一生懸命動かそうとするんだけど、エネルギーが切れてしまった状態のこと。それでもまだ動かそうとするから、どんどんエンジン自体が動かなくなって、何も出来なくなってしまうの」 確か、そんな説明を受けました。 それって、自分のことだ。と思いました。 これは病気なんだ。じゃあ、治るんだ。 そう思った瞬間に、涙がぼろぼろ出てきました。 頑張らなくちゃいけない。生きているのがどんなに辛くても、耐え続けていかなくちゃいけない。 そう思うのに、もう頑張りたくない。 このまま死ぬまで耐えながら生きていくのはもう無理だと思ってしまう。 なんて怠慢なんだろう、なんて最低なんだろう。 自分は何の結果も出せないし、努力することさえ足りなすぎる。 当時は本当に深刻にそう思っていました。 でも「病気です」と言われた時に、 「じゃあ、もしこれが治ったなら、また昔みたいに毎日が楽しいって思える日がかえってくるのかな」って思いました。 それが本当に嬉しかったのです。 慢性疲労症候群ではなくて、仮面うつ病かもしれない。 仮面うつの特徴は、精神症状が軽度のものであり、身体症状の方が目立つこと。 例えば全身疲労感や自律神経失調状態、睡眠障害など。 そういうお医者さんの説明を聞いて、わたしは「自分はうつ病かも」って思いました。 正直に言うと、どっちでも良かったのです。うつ病でもCFSでも、治るのならどちらの病名でも良かった。 うつ病、という病名に対しての抵抗感がなぜかあまりなかったんですね。 「人生で一回くらいうつ病になっとくのも、まぁありかも」って思ってました(笑) さて。 さらに、その大学病院で言われたのは、 「もしCFSだとしても、ここではうつ病としての治療しかできない」ということでした。 CFSでは治療法が確立されていないので、ここでの治療の方針は「うつ病と同じような対処をしていく」とのこと。 つまり向精神薬などを用いたうつ症状の治療がメインになるということです。 わたしはぼんやりした頭で、「それならそれでいいけど」と思っていたのですが、母親が「子どもに抗うつ剤を使うのは避けたい」と反対しました。 この子の症状は仮面うつというには身体症状が強すぎるし、まだ子どもなのに抗うつ剤を使用するのは副作用などの心配がある。 漢方がかなり効いているようなので、できれば漢方薬を用いたCFSの治療がしたい。 母親の言葉にお医者さんも頷いてくれて、「わたしもこんな若い子に抗うつ剤を使うのは避けたほうがいいと思います」と言って、漢方を処方してくれる医院を紹介してくれました。 そんなわけで、漢方をメインにした治療が始まったのです。 |