natural sweets : 使用する材料について ここでは、レシピで使う材料について、簡単に紹介しています。 あちこちから聞いた知識を基本にしていますが、材料の説明については 「あまくておいしい!砂糖を使わないお菓子」(パトリシオ・ガルシア・デ・パレデス/主婦と生活社) の巻末に載っているものが、詳しくてオススメです。(ところどころ、参考にしています) 小麦粉/甘味料/オイル/その他の材料 小麦粉 焼き菓子において、もっともよく使われる粉。 特にマクロビオティックでは「全粒粉」の使用がすすめられます。 ・ 全粒粉 小麦を「ふすま」ごと挽いている、未精白の粉。米で言えば、玄米のようなもの。 精白すると小麦の栄養分は70%近く失われてしまうそうです。 ナチュラルスイーツではなるべく全粒粉を中心に使うことがオススメですが、 軽く繊細な口当たりが欲しいときは、精白されたものを使うことも。 ・ 無漂白小麦粉 精白されていても、漂白されていないもの。自然な生成り色をしています。 …つまり、色を白くするための化学処理を施されていないもの。 一般の小麦粉は、二酸化塩素や過酸化ベンゾイルなどを使って漂白されています。 ナチュラルでない加工をされているものは避けてください。 ・ 薄力粉/中力粉/強力粉 グルテンの含有量が最も少ないのが薄力粉、最も多いのが強力粉。 グルテンはパンの「むっちり感」を出すために必要なものですが、 クッキーやケーキの場合は、なるべくグルテンを生成しないように気をつけます。 (グルテンは、小麦粉の含んだ生地をこねることで生成されます) 用途によって使い分けてください。中力粉はわりと万能? (番外編) ・ 米粉(or 玄米粉) お米を粉にしたもの。上新粉。 基本的に扱いが難しく、ケーキに使う際には水分量に気を配る必要があります。 製菓用に細かく挽いた、「リ・ファリーヌ」などの方が扱いやすいようです。 ただ、上新粉でもクッキー生地に混ぜるなどすると、グルテンを含まないために 生地がさっくりしやすくなります。 ・ その他の粉 雑穀粉、コーンミールなど、穀物の粉は、小麦粉に何割か混ぜることで 風味や食感を変えることが出来ます。 手に入るものがあれば、是非お試しを。 甘味料 マクロビオティックのスイーツにおいて、もっとも特徴的な材料。 基本的には白砂糖(精製糖)よりはかなり優しいものばかりですが、 どの甘味料を使用するかによって、身体への影響がまるで違います。 入手しやすさや、身体の状態などで使い分けることをオススメします。 ・ 甜菜糖(てんさい糖) 甜菜大根から作られた砂糖。「未精製」と表示されているものが良いでしょう。 オリゴ糖が含まれていて、血糖値上昇は白砂糖より穏やかと言われています。 比較的手に入りやすく、顆粒状のため、砂糖の代用として使いやすいです。 …が、わたし自身の感覚では、結構負担が大きい(食べた後の排出が大きい)ので あまり摂り過ぎないようにしています。 ちなみに、甜菜糖2カップと水を1/2カップをあわせて弱火で1分ほど煮ると、 「甜菜糖シロップ」 が出来ます。冷蔵庫で一週間ほど保存可能。 これはメープルシロップの代わりなどに使えるようです。(作ったことがないので…) 参考「あまくておいしい!砂糖を使わないお菓子」(パトリシオ・ガルシア・デ・パレデス/主婦と生活社) ・ メープルシロップ サトウカエデの樹液を煮詰めて作られたもの。 100%のもの、混ぜ物がないものを使ってください。 カナダ産は国の管理下で100%のものしか生産できないようになっている…と 聞いたことがあるので、カナダ産なら安心していいと思います。 加工品に、メープルシュガーやメープルバターなどあり。 風味がよくてコクがあり、さらりとした液状でとても使いやすいです。 しっかり甘めなので、お砂糖抜きからの代替品としては一番おすすめ。 慣れてくるとこれも甘すぎ…ということで、出番が減ると思います。 わたしは、食べ過ぎると頭がぽわ〜っとします。注意です(笑) ・ リンゴジュース、フルーツジャム(無糖)、ドライフルーツなど フルーツの加工品。 リンゴジュースなどは、寒天で寄せるだけでもおやつになりますね。 ドライフルーツ、フルーツジャムはパウンドやクッキーに混ぜ込んでも。 ジュースは濃縮還元のものは避けて、ストレートのものをオススメします。 (濃縮方法に問題があるようなので…) ジャムは無糖のものを選ぶか、自分で果物を煮詰めるか。 どちらにせよ、少しの量で果物何個分もの糖分が含まれているので、 「嗜好品」として使う…という意識を持っておきたいものです。 ただ、お砂糖からの移行期は頻繁にお世話になると思います。 ドライフルーツは、陰性の果物に陽性の太陽の力を加えたもの。 生のものより作用が穏やかですが、食べすぎにはやっぱり注意。 (ドライフルーツを食べ過ぎて、身体がしわしわになった…という話を聞いたことが!) 漂白剤やオイル不使用で、オーガニックのものが身体にも穏やかで味もいいです。 オイルコーティングされたものは酸化している油を摂ることになるので、 なるべく避けるか、お湯に浸してから使うことをオススメします。 ・ 米飴、玄米水飴 お米を煮詰めて作った、穀物の飴。 米飴は蜂蜜のような色、玄米水飴はさらに濃いブラウンです。 甘味はかなり控えめで、お砂糖に慣れている舌だと「甘くない」と感じるかも… (お砂糖や蜂蜜に比べると、甘さは半分と言われています。) わたしも最初は受け入れられなくて、使用を避けていたのですが、 今では「すっごく甘くて、コクがあっておいしい」と感じるようになりました。 米飴のほうが、玄米のものよりクセが少ないです。(玄米の方が栄養はありますが…) ちょっと扱いづらいのが難ですが、なるべく活用したい甘味料のひとつです。 瓶入りの、ミトクのものが固まりにくくて使いやすく、オススメです。 ・ 玄米甘酒 甘味料の中で、もっともオススメしたいのが玄米甘酒。 玄米に糀を混ぜ込んで一晩発酵させた、無加糖・無添加の甘酒は、 とっても甘くておいしいです。さらには血糖値の上昇も穏やか。 「飲むブドウ糖」と言われるくらいに栄養も豊富です。 スーパーなどで売られている「甘酒」には、酒粕に砂糖を加えて作られたものもあります。 きちんと発酵させて作ったものには、アルコール分は含まれていません。 糀のつぶが気になる場合には、ミキサーにかけて。 そのまま寒天や葛で寄せても、手軽なおやつになります。 玄米から作られたものがもっともオススメです。 (ちなみに、わたしはオーサワジャパンのものが好きです) 乾燥糀を入手して、炊飯器で甘酒を作る方法もあります。 その場合は炊いた雑穀などで作ると、クセが少なくておいしいです。 ・ その他の甘味料について その他、「健康によい甘味料」として知られているのは 黒砂糖、三温糖、蜂蜜…などでしょうか。 黒砂糖にはミネラルが含まれているのでやや穏やかと言えそうですが、 基本的にはあまり使わないようです。 わたし自身も、黒砂糖を食べたときの反応は結構大きいので(排出が大きく出るので) 家でも使いません。 また、三温糖は普通のお砂糖と成分そのものはなんの変わりもないそうです。 単に白砂糖を作っている途中で出来る、焦げた部分を三温糖としているだけだとか… 「色が違うだけで、成分は一緒で、値段が高いだけなので、それならば白砂糖のほうがマシ」 という意見をよく聞きます。 蜂蜜について。 なぜ蜂蜜を使わないのだろう?とわたし自身もフシギだったのですが… ひとつには蜂蜜は「一度動物によって消化されたものである」ということで、 「動物由来のもの」と考えられること。 また、花の蜜自体が陰性な上に、「消化」という陰性な働きが加わるために 「極陰性」であると言われていること。 さらには、最近のものはほとんどが混ぜ物をしてあるということで、 日常的には使うのは避けたほうがいいかもしれません。 最近はさまざまなフレーバーの蜂蜜が出ていて、その違いを楽しむという意味では 嗜好品として時々用いるくらいは大丈夫なのではないでしょうか。 ※甘味についてはわたしの意見がよく出てきていますが… 基本的には、全て「身体はどう感じるか?」という自己判断で構わないと思います。 (あれはダメ、これは禁止…というのもおかしいと思うので) ただ、お砂糖に慣れすぎている&動物性が入っている身体の頃は、 自分の身体の反応が鈍く、アテにならなかった…という経験があります。 わりとしっかりマクロビオティックを実践してみた方は、ほとんどがすぐに 「お砂糖を食べると身体の不調を感じるようになった」ということが多いようです。 オイル ・ 菜種油、ごま油、オリーブオイルなど 料理と同じように、圧搾法(伝統的な製法)で作られたものを選びます。 一般のものは薬品で抽出しているものが多く、質が良くないようです。 また、ごま油はスイーツに使うならば、色の薄いものを選んだほうがいいようです。 オリーブオイルにも独特のクセがあるので、我が家では菜種油を中心に使っています。 ・ サラダ油は? 今、家庭でもっとも使われているであろうオイルはサラダ油ですが、 サラダ油はさまざまなオイルの混合であり、オイルを混ぜ合わせるには 化学的処理が不可欠であるという指摘がなされています。 中には、「普通なら摂取できないようなクセのつよい種類の安い油を混ぜ込んでいる」 と指摘する声も。 出来る限り、避けることをオススメします。 というか、伝統的な製法の油のほうが断然おいしいので、そっちがオススメです。 ・ 油の代わりに? 上でも取り上げている、「あまくておいしい!砂糖を使わないお菓子」によると、 ケーキやマフィンなどの焼き菓子では油の一部、または全量にプルーンピューレを 用いると、油を減らしながらもしっとりとしたケーキが焼ける…とされています。 わたしはまだこれ、試したことないんですけども。 (レーズンピューレで試してみたら、そこそこしっとりしておいしかったです) ちなみにプルーンピューレは、種を取ったプルーン1カップと熱湯1/2カップを フードプロセッサーかミキサーでよく攪拌させます。冷蔵庫で2週間ほどもつそうです。 参考「あまくておいしい!砂糖を使わないお菓子」(パトリシオ・ガルシア・デ・パレデス/主婦と生活社) その他、添加物など ・ 重曹、ベーキングパウダー ケーキやマフィンを膨らませる際に使います。 クッキーに入れると、さっくりした口当たりになるのを助けてくれます。 重曹はお酢やリンゴジュースなどとあわせて使うといいみたいです。 (重曹は、あんまり使いこなせてません…) ベーキングパウダーは、アルミニウムの含まれていないRumford社のものがオススメ。 これは重曹とカルシウムに、コーンスターチ(非遺伝子組み換え)を加えてあるもの。 市販品には、アルミニウムや珪酸カルシウムなどが加えられています。 アルミニウムには様々な害がある…と言われていますが、ここではそれは省略。 比較的大きなスーパーに行くと、わりと普通に置いていることが多いです。 これらは基本的に「添加物」なので、あまり頻繁に使うことは避けたほうがいいと思います。 (嗜好品として、という意識があれば大丈夫だと思いますが) 他にも膨張剤としては、ナチュラルイーストや天然酵母などがあります。 ・ 寒天 天草という海草から作られた、日本伝統の凝固剤。 漂白剤や添加物の使用されていない、伝統的な製法のものを選んでください。 棒寒天、寒天フレーク、寒天パウダーなどの形で売られています。 一番溶けやすくて手軽に使えるのはパウダーですが、 むっちりと弾力のある仕上がりになるのは棒寒天。 好みや扱いやすさ、値段などで選んでください。 ・ 葛 葛は身体を温める作用の強いでんぷん質。 漢方薬の、「葛根湯」としても使われていますね。 胃腸にもよく、葛湯にして飲むと腸の状態を改善して、身体を内側から温めます。 精神の安定作用もあり、不眠やストレスにも効果があるとか。 料理では主に「とろみづけ」として使われます。 スイーツにおいても、フルーツジュースにとろみをつけてソースにしたり、 葛餅のように固める作用でプリンにしたり。 寒天と葛をあわせて使うと、ゼラチンのような食感のデザートも作れます。 似たような作用をするものとして「片栗粉」がありますが、 片栗粉はジャガイモから作られる陰性な働きをするもので、 葛粉のように身体を温める働きはありません。 スイーツにおいても代用はできますが、味や身体への影響は変わります。 また、一般に「葛粉」として売られているものでも、ジャガイモでんぷんが添加されている ものもとても多いので、葛のみで作られている「本葛」を選んでください。 ・ 塩 マクロビスイーツのレシピのほとんどで、「塩 ひとつまみ」という記述を見ると思います。 これは、陰性な材料の多いスイーツに、ひとつまみの塩(極陽)を加えることでバランスをとるため。 また、味を引き締めて甘味を引き立たせてくれる効果もあります。 塩は料理と同じく、天日干しの自然塩を選ぶことをおすすめします。 科学的に作られた食塩=塩化ナトリウムは、ミネラルなどの栄養分がなく、 腎臓に負担をかけてしまうためです。 (塩の話はかなりややこしくなるので、ここでは省略します…) 「海の精」などが手に入りやすくてオススメです。 ・ ナッツ類、ナッツペースト ナッツ類は、ケーキやクッキーに加えることで食感のアクセントになるし、 コクを与えてくれます。炒ったものを粉に挽いて使うのもオススメ。 また、ナッツペーストもバターのようなコクを与えてくれるので、 移行期においてマクロビスイーツがあっさりしていて物足りない…と感じる場合、 わりと頻繁にお世話になるのではないでしょうか。 ただ、植物性であってもかなり脂肪が多いので、食べ過ぎるとニキビなどの形で 排出が起きるかもしれません。 もっともオススメなのは、「胡麻」。 特に黒胡麻は脂肪も少なく、身体を温める作用も強いです。 胡麻ペーストを油分の代わりに使ってクッキーを作ることも出来ます。 ただ、味がゴマゴマしているので、思いっきりスイーツ!な気分の時には アーモンドバターがオススメかなぁ…。(ただし、手に入りにくいのですが) ピーナッツペーストでもいいのですが、多少クセがあるので。 ・ 豆乳 牛乳の代わり、脂肪分に富んだコクのある材料として使います。 豆乳に甘味を加えて、寒天や葛で寄せるだけで豆乳プリンが出来上がります。 ただし、植物性でもかなり脂肪が多く陰性なので、軽く火を通して用いたり、 クリーミーさを失わない程度に薄めたりして使うのがオススメ。 健康な人なら問題ないと思いますが、肺の弱い方などは注意が必要かも。 …以上、長くなりましたが。 何か他に追加するものが思いついたら、随時更新します。 |