..... macrobioticのキッカケ>動物性がないとダメかな?


○ 食べないとダメ…、って食べすぎはどうなんだろう?


「マクロビオティックな生活をしよう」と考えたときに、一番理想的なのは

『お肉や魚、卵、牛乳…などの動物由来の食べものと、
 白砂糖やアルコール類を一旦すっぱりやめてみる』

…ということ。

organic baseの奥津典子さんいわく、「一度やめて見ると、日常生活にどれだけそれらが多かったのかがよくわかります。」とのこと。
まさにその通りだと思います。やめてみるとわかるのは、思っている以上に動物由来のものって、食卓に多いな…ということ。
例えば一番軽いイメージの朝ごはんでも、卵、ベーコン、明太子(魚卵)、味噌汁のお出汁(カツオなど)。今の「ふつうの食事」では、「動物性なし」という食事は滅多にないですよね。一食くらいあってもいいような気がするのですが。
「お肉や魚を食べないんだったら、いったい何を食べればいいの?」
と反射的に思ってしまうのは、逆に今の食卓が動物由来の食べものに大きく依存しているからだ…とも言えます。

次に来るのは、「そんな食事じゃ栄養不足にならないの?」という疑問。
動物性のたんぱく質がないと、身体に害があるのではないか。
そうでしょうか。
動物性たんぱくって、そんなにたくさん必要なのでしょうか。今ほど食べなくても、大丈夫なんじゃないかなぁという気がします。だって昔の日本人は、今よりずーっとお肉、食べてなかったそうですから。戦後50年で、牛肉の消費量だけでも14倍になったというデータもあります。

たんぱく質自体は、もちろん身体には必要なものです。だから、脂肪が少なくて良質な豆類、豆腐や高野豆腐などのたんぱく質を摂ります。
「畑のお肉」と呼ばれる大豆ですね。
しかし大豆にも、脂肪が多いという欠点があります。植物性なので動物性よりは負担が少ない…とはいえ、やっぱり摂りすぎは避けたいもの。
そんな欠点をカバーするのが、日本の伝統食品。
例えばお味噌は、消化しにくい大豆を「発酵」させることで消化しやすくした、日本の素晴らしい伝統食品なのです。日本人の知恵ってすごい。

他にも「穀物だけでも大丈夫」という意見も聞いたことがあります。
例えば野生のパンダは笹しか食べないし、コアラはユーカリの葉しか食べないけれど、どちらも身体をつくる栄養分は問題なく足りている。
同じように人間にも、ちゃんと穀物から身体をつくる仕組みは備わっている…という話。
でもまぁ、これは極端な話です。別に豆くらいは食べようぜ、とわたしは思います。おいしいですしね、お豆。

動物性を食べると、どうしても多量の脂肪も一緒に摂取します。動物の体温は人間よりも高いので、動物の体内では溶けていた脂肪が、人間の体内では溶けずに固まってしまいます。そうすると脂肪がからだのあちこちや臓器に溜まっていき、それが元で不調が起きることも。
例えば皮膚が荒れたり、頭痛になったり、肩がこったり…などの日常的なものから、
糖尿病などの臓器に関連した病まで。
それならその摂取量を減らしましょう、質のいいものに変えましょう…というとてもシンプルな提案なのですが、どうも「お肉・魚を食べない」というととっても過激に聞こえるみたいです。

「いったんすっぱりやめてみる」ことのいいところは、それで身体がどんな風に変わるのか?が明確にわかるから。
でも、実際にはすっぱりやめることに抵抗感があったり、お付き合いでそうもいかなかったり、肉・魚が抜けると何を作っていいのかわからない…ということで、なかなかそう極端に変えてしまうのは、難しいかもしれません。

その場合は、例えば肉を魚にする。
毎食摂っていたなら、一食だけにしてみる。
毎日食べていたなら、週の半分は控えてみる…と、今よりも意識して減らすことから始めてみて、身体の様子を観察して見るといいと思います。
ほんの少しお肉を控えて、玄米を食べるようになっただけで、コレステロール値や中性脂肪の検査値がごっそり下がった…という体験談も実際に聴いたことがあります。
もし減らしたことで自分が不調だと感じるなら、戻せばいいだけですしね。

でも動物性をやめる場合は、しっかり玄米を食べること、生野菜を控えることを忘れないでくださいね。生の食品はかなり身体を冷やす(陰性)ので、動物性という強く身体を温めるもの(陽性)が抜けてしまうとバランスが崩れてしまいます。

マクロビでお肉やお魚を避ける理由のひとつは、「それが代謝しにくいものだから」。消化が難しくて、老廃物になりやすいのです。「身体に溜まりにくいものは避けて、体内をクリアにする」というイメージですね。

化学物質(化学調味料などの添加物)を避けるのも、同じです。ケミカルなものは体に残って老廃物になりやすい。そうなると疲れやすくなったり、臓器に負担がかかったり…

「身体に負担があるのかもしれないけど、でも、お肉が好きだからなぁ…」という方は、大豆たんぱくなどで代用するといいと思います。これ、「別にこれならお肉要らない」ってほとんどの人が言うくらい、お肉に似てます。
(でも「もどき料理は絶対にヤだ」というひともいるので、難しいのですが。それでも大豆たんぱくは一番受け入れられやすいみたいです)

お砂糖の減らし方は、また稿を改めて書いてみたいと思います。
女のひとは結構、お肉はやめやすいんですよね。わたしもそこまで辛くはなかったです。お砂糖の方がだいぶ大変だったりする…
(逆に男のひとは、お砂糖よりお肉の方がやめ辛かったりするみたいです)