..... macrobiotic ?>低血糖症をご存知ですか?



○ 低血糖症…って、なんぞや


甘いものが好き。
精神的に揺れやすい。
不安になりやすい。
疲れやすい。
空腹に弱い。すぐお腹がすいて、甘いものが欲しくなる…

などの症状がある方。
もしかしたら、「低血糖症」かもしれません。いうなれば糖尿病の反対バージョン。血中の糖分が著しく低くなったまま戻らない、というものです。

現代人の半分が低血糖症ではないか、と言われている割に、低血糖症の知名度は恐ろしく低いです。低血糖症は最も誤診されやすい病気で、聞くところによると「精神病院の入院患者の80%が低血糖症だった」と言う研究者もいるそうです。低血糖症は「偉大な物真似師」なんだそうです。

インターネットで検索すると、いろいろと情報を手に入れることが出来ます。
例えば、レポート作成でよくお世話になる、Wikipedia(別窓開きます)。4.低血糖〜5.疾患としての“低血糖症”が、結構詳しいです。
Wikiって文字が多い…という方は、こちら(healthクリック)(別窓)もわかりやすいです。

要するに、糖分の取りすぎですい臓(高校時代に生物を取った方は、α細胞とかβ細胞とか覚えてますよね?)の調節機能がバカになってしまい、インスリンが過剰に出て血糖値が下がりすぎる…というものです。
低血糖状態というのは、本来空腹のときになるものです。人は血糖値が下がると空腹を感じます。そして自然と何かを食べて、血糖値を補給します。
低血糖症はその低血糖状態が異常に長く続いたり、キケンなくらい血糖値が下がりすぎてしまう症状です。
そうなると身体的な症状と、精神的な症状が出ます。何せかなり危険な状態なので、脳がイライラするし、身体も弱ってしまうのです。近年の「キレる子ども」も、清涼飲料水やスナック菓子の食べすぎから来る低血糖発作のせいでコントロールを失うのでは、と言われているくらいです。わたしもそれは実感しました。

わたしは低血糖症でした。
今はかなり改善しており、ここ最近は低血糖発作を起こしていないので、治ったのかもしれません(だとしたら、かなり嬉しい)。

わたしの場合は、まず甘いものが食べたくて仕方ない。
さらに、お腹が空くと手がぶるぶると震えてくること。全身に力が入らなくなり、頭痛がして、冷たい脂汗がじわーっと出てきて、立っていることも歩くことも、座っていても辛い状況になります。めまいがして、頭が真っ白になりそうになったり。
そしてそういう症状が起きると、決まって気持ちがどしーんと落ち込みます。血糖値が下がるので、気持ちも落ち込むのです。そうなると、なんだかもう自殺したいような感じにまで憂鬱になってしまうのです。
食事を変えてからもこれはしばらく続き、大抵は学校が終わってバイトの前にこの状態になるので、しょっちゅう体調不良でバイトを休んでいました。そして休んだ自分に「なんて根性がないんだろ…」と落ち込むダブルパンチ。
 これって低血糖発作のせいなんだ、と気がついてからはおにぎりを余分に持って行き、バイトの前に食べるようにしました。すると面白いことに、心も身体も「なんとか出来そう」というくらいに回復するのです。アンパンマンの「カオがよごれて力が出ない〜」って感じに、「お腹が空いて力が出ない〜」という状態でした。
あと、イライラするのも辛かったです。家族と出かけていても、お腹が空いてくると血糖値が下がって、疲れてしまうしイライラしてしまう。「血糖値が下がってるから仕方ないの!」といいながら、八つ当たり。「お腹が空いてイライラする」って聞くとなんだかすごくバカっぽいのですが、身体のメカニズムから言えば仕方の無いことだったんだなぁ…と思います。

ちなみに一家全員が低血糖症みたいなものだったので、思えば昔から家族喧嘩は食事前が圧倒的に多かったです。そしてご飯を食べて仲直りする。単に「一緒にご飯を食べて和やかになる」という気持ち的な効果だと思っていたのですが、その裏には血糖値のからくりも隠されていたのかもしれません。


○ パンがなければお菓子を食べればいいのよ←やめてください


さてでは、低血糖状態にどう対処するのか。
簡単ですね。「血糖値を上げること」ですよね。
それを証拠に、わたしもおにぎりを食べて回復していました。ちょっと回復までに時間がかかるのですが、それは仕方のないこと。

糖尿病の人は、上がりすぎた血糖値を下げるためにインスリンを注射するのですが、そのインスリンが過剰で血糖値が下がりすぎてしまい「低血糖状態」になることがあるようです。
それではその時どう解決しているのか?
“ブドウ糖を投与すること”です。
そうです、確かに糖分を与えれば血糖値は上がりますよね。シンプルです。
でもそもそも、すい臓がおかしくなって低血糖になっているのですから、これは根本的な解決にはなっていません。対処療法です。
さらに、ブドウ糖などの直接的なかたちで糖分を摂取すると、血糖値は急上昇します。それにともなって、気持ちもぐーんと高揚して、なんとなくハイになったりします。
しかし、人間の身体は調節機能を働かせて、上がりすぎた血糖値を抑えようとします。低血糖の人の調節機能は狂っているので、インスリンが過剰に出ます。そしてせっかく上がった血糖値は、また急降下してしまいます。
血糖値の急激な上昇・下降は、精神的な負担も大きいし、さらに内臓に負担をかける原因になってしまいます。
つまり、甘いものを食べると一旦良くなるかのように見えるけれど、実際には良くなっていない、という現象が起きてしまうのです(参考、下図)。

それではどうやって下がりすぎた血糖値に対処すればいいのでしょうか。
血糖値を急上昇させるのではなく、穏やかにあげるもの…
それは炭水化物などに含まれる多糖類の摂取が一番です。




多糖類は消化されることでブドウ糖になり、吸収がゆっくりなために、血糖値を穏やかに上げてくれます。
つまり、未精白穀物などの炭水化物をよく噛むことで、糖分にして吸収するのが最も理想的。更にはパンなどの粉からできるものよりは、粒のままの方が血糖値の上昇はゆるやかです。
わたしは、なるべく玄米のおにぎりを持ち歩くようにして、よく噛んで食べていました。
でもいつもいつもベストな対策が出来るわけが無いですよね。おにぎりを持ってない時に低血糖になることももちろんありますし。コンビニのおにぎりで急場をしのぐこともありました(添加物はなるべく避けたいのですが、倒れるよりはマシです)。ローソンには白米ですが、無添加のおにぎりがあるので助かりました。
またおにぎりも手に入らないときは、パン屋さんでなるべく「小麦(なるべく全粒粉)と塩と水だけ」のパンを探して食べる、スーパーでむき甘栗を買って食べる…などで急場をしのいでいました。
大袈裟なようですが、下手すると倒れかねないのです。
また、よく低血糖発作の前にはのどの渇きがひどくなるのですが、水分を多めに取ると症状が少し和らいでくることが多かったです。水分の摂取がグルカゴン(血糖を上げるホルモン)の分泌を促すのだとか。
ですから、当時のわたしの鞄には「おにぎりor甘栗+ペットボトルの水(中身は自宅の浄水)」がほとんど必ず入っていました。
こまめに少量ずつ食事を摂る、というのもよい方法です。

多糖類を摂ればいいのはわかった。
でも、なんで低血糖症になっちゃうんだろう?
これから低血糖になったら、多糖類を摂ることでしか治せないの??

と、わたしはこのメカニズムを知ったときに思いました。
いえいえ、とんでもない。根本治療はできるはずです。
わたしなりに知ったマクロビオティック的な対処法を、次に書いてみます