..... マクロビパワー・本領発揮?

完全なる後日談です。しかしマクロビパワー、恐るべし。

○ 高校生活の終わり。


高校3年生。
大学受験の年でした。

わたしの目標は、「とにかく、なんとか卒業すること」。
少しずつではありますが、勉強できるだけの体力は復活してきていたので
一応受験を視野に入れてはいたのですが…それでも、
「本番は来年。今回は無理せず、練習のつもりで」
という感じでした。
両親ももちろん、同じ意見。

まぁ、これほど気楽な受験生も周りにいませんでした。(進学校でしたし…)
周りの子が寝る間も惜しんで勉強する中、わたしは夜もばっちり寝ていたし、
勉強時間も一日2時間が限度でした。
それでも焦らず、のんびり過ごすこと。
これが結構難しくて、時々心が揺れて「大丈夫なんだろうか…」という
気持ちになることもありましたが、つとめてゆったり・のんびり過ごしました。

秋に入ると、放課後の補習にも参加できるようになり。
週末は一日中模試を受ける必要があってへろへろにはなっていましたが、
なんとか学校生活を送れるほどには回復していました。
(相変わらず、車での送迎は不可欠でしたが。)

しかし不思議なものです。
短い時間しか集中する体力はなかったけれど、病気の前より
ずーっと頭の働きがいいというか、クリアな感じがするのです。

そういえば病気だとわかる前は、いっつも頭が痛くてガンガンしてて、
世界史の授業を聞きながら必死に覚えようとしても、
頭が痛くて全く内容が入ってこなくて。
情けないのと辛いので、授業中に涙が出てきたこともありました。

気がつくと、その頃より断然、集中力がついているのです。

高2の夏から終わりまでの授業がほとんど聞けなかったために、
ぽっかり穴が空いたように「わからないところ」がありました。
数学やら世界史やら、かなり大変だったはずなのですが…
「無理かな?」「いや、でもなんとかなるかも!」と戸惑いながらも、
結局、なんとか埋め合わせることができたのです。
(ま、かなり必要最低限だったのですけども…)

体力も回復していたのもあるとは思いますが、
「マクロビオティックをすると頭もクリアになって、集中力や記憶力も上がる」
という言葉を深く納得した体験でした。
きっと、健康であれば集中力も記憶力も働くのが自然なのですね。

それまでは「なんとなく」勉強していたのも、「ポイントはここだ!」というのが
なんとなく掴めるようになり、英語の文章読解力も上がり。
短い時間でも、以前よりもずっと勉強量は多くなっていた気がします。
「マクロビをすると直観力も復活するらしいよ」という母親の言葉に、
またもや納得でした。

冬頃になると、そんな感じで成績が思っていたよりも上がってきたため、
「もしかしていけるかも?」という気持ちが芽生えてきました。
友達の励ましや家族の協力があって、なんとかセンター試験を終え、
結果は微妙でしたが…二次試験を受けてみることになりました。

大学の選択に多少迷いましたが、滑り止めまで手を回す余力もなく、
本命一本に絞りました。今思えば無謀なことを。
まぁ別に落ちてもいいんだから!という気持ちだったので、出来たことですね。

結局、二次試験までは赤本を一冊終わらせるのが精一杯でした。
それも二次試験の前日になってようやく終わったくらい。
最後の日は5時間以上勉強できたのが嬉しかったなぁ。
確かこの日は、自分で電車やバスを使って下校した覚えがあります。

二次試験は2日間にわたって行われましたが、ハプニングもありました。
1日目が終わった後の夜中、まったく眠れなかったのです。
体中がぎしぎしと痛くて、熱まである感じ。
「どうしよう、明日も試験なのに…!」と不安で一杯に。
迷った挙句、両親を起こして全身をマッサージしてもらいました。
どうやら緊張と疲労とで、筋肉ががちがちになっていたようです。

で、結果なんですが。
合格でした。
これにはわたしも家族もびっくりでした。
事情を知っている人は「まぁまず無理だろう」と思っていたらしく、
特に驚いていたのは学校の先生方でした。
そりゃそうですよね、補習も出ないしテストはパスするし、
受験生としては最底辺のヤツでしたもの…。

ちなみに家族は「あんだけ勉強してなかったのに?」という反応でした。
そういえばセンターでは、全くわからなくてあてずっぽうでマークしたところが
ほとんどあってたり…などのラッキーなことが多かったので、
「マクロビでついた直観力のお陰なのでは…」という結論に。(ひどい…笑)

確かに、最低限の勉強で、最短ルートで受験に合格できたのは、
マクロビオティックがなければありえなかったことなのではないか…
と、わたし自身は強く感じました。

そんなわけで、人生で最高に楽しい解放された春休みを過ごし、
わたしは晴れて大学生となるのでした。


○ オマケ。


マクロビオティック?の項でも書いているのですが、
わたしがマクロビを始めてから出来るようになったこと、たくさんあります。
その中でも一番大きかったのが、「掃除」。

そのうち家中をゴミ屋敷にするのではないか と母を怯えさせ、
物を失くしまくることで お前は人間じゃない と父を怒らせ、

「この子はマトモに結婚できないのかもしれない」 と両親を悩ませ。

整理整頓が死ぬほど出来なかったわたしですが、
マクロビオティックを始めて、あるキッカケのお陰で、掃除ができるようになりました。

「掃除が出来る」というのは、単に文字通りではなく。
「ストレスなく、苦しむことなく、涙を流すことなく、自然に掃除が出来る」
…という意味です。

つまりそれまでのわたしは、ストレスを感じながら、苦しみながら、泣きながら、
最大限の努力で掃除をしていたということです。
それも二ヶ月に一度ほど、床が見えなくなるほど散らかったゴミ部屋を
見た母親に怒られながら。

なんでゴミを散らかすの?
どうしてそれが平気なの?
気持ち悪くないの?
どうしてそんな簡単なことが、そんなに大変なの?

何度も何度も言われましたが、「嫌なものは嫌なの!」としか言い様がなく。
逆に、「どうして掃除しようと思えるの?」と聞いてみたいほどでした。

「普通の人が当たり前に出来ること」ができないことを、
ものすごくコンプレックスに感じてました。

それが、マクロビオティックを始めて。
身体が変わって、元気になってきて。
ある日、「ああ、この部屋汚くて気持ち悪いなぁ。掃除しよ」
と極めてライトな感じで、掃除を始めたのです。

それから、毎日のように床を水拭きする生活を送った時期もあるんですけど(笑)
今はふつうに、汚れてきたなぁ→よし、整理整頓しよ。という感じでできます。
時間もそれ程かかりません。
散らかったものを片付けるのと、埃を払って掃除機をかけるのと。
20分もあればぴかぴかになります。狭い部屋ですし。

以前は「掃除をしよう」と決意をする頃には、
「床が見えない」「散らかった服は何十着か?→大量の洗濯物」
「教科書タワーができてる」「ゴミ袋が一袋以上は必要」
…という感じだったので、一日中かかってたんですよね。
ものすごくイライラしながらしているから、効率も悪いし。

これだけ気持ちよく掃除できる人間に変われるなんて!
と、自分で自分に驚いてます。
(それ以上に涙を流して喜んでいたのは、両親でした…)

それから料理に興味がなかったわたしが料理をするようになったり。
折り畳み傘もたためないほど短気で不器用だったわたしが、
洗濯たたみを好きになったり。

病気が治っただけでなく、自分的にものすごい変化を経験できたのは、
やっぱりマクロビオティックを始めたからなのだろうな、と思います。
「ホントに食事を変えただけで、そんなに変わるの?」と思う方も
多いかもしれませんが、わたしは自分で体験してしまったので、
「ホントだったよ」と言うしかありません。

「正しい状態」ってなんだろう?
「健全」という言葉があまり好きではない捻くれ者のわたしですが、
「健やかな」状態というのは本当にあるのかな、と思ってます。
例えば掃除をする。料理をする。部屋の空気を入れ替える。
そうやって、「生活」する。

そういう「健やかな」状態は自分とは一生縁がないんだろうな…と思っていたのに、
気がつくとそういう「健やかな」ものにほっとする自分が居たりする。
更には、泣く。怒る。喜ぶ。落ち込む。感情をしっかり体験する。
これが健全さなのかなぁ、それなら別に健全でもいいかなぁ、と思います。
(↑捻くれ者なのはあんまり治ってない)

さて、大学受験も突破して、大学生活もぎりぎり人並みに送るようになり、
掃除やら料理やらもできるようになってきたわたしなのですが。
「病気」って一体なんなの?と考えることが、ここのところひじょーに多いのです。
なので次に最後の締めくくりとして、その辺の所感を書いてみたいと思います。